塗装をする方ならいくつかの塗料を保管していると思いますが、どのように保管していますか。
塗料は保管の方法で性質が変わったり、次に使うときにダメになってしまっていたりすることがあります。
今回はそんな塗料の保管方法や現象について紹介していきます。
保管時に起きる欠陥の種類
塗料を保管していると色々な現象が起きてきます。
主に三種類あるので、それらを紹介します。
沈殿
塗料には顔料等の成分が多く配合されており、保管して時間が経つと成分が沈殿することがあります。
主に顔料が一番下に沈殿していき、他の成分(顔料が少なくなった塗料層)が上に来ます。
一般的に底にたまった顔料の塊が柔らかいなら【ソフトケーキング】、硬いなら【ハードケーキング】と呼ばれています。
原因として
- 塗料の粘度が低すぎる時に比重の大きい顔料成分が沈降。
- シンナーで過希釈した。
- 長時間または高温で保管していた。
コチラの条件の時に沈殿が起こります。
対策として
- 使用する時にしっかりと攪拌する。
- 長時間希釈した塗料を放置しない。
- 決められた希釈粘度にする。
等があります。
(ソフトケーキング状態であれば良くよく攪拌することで使用が可能になります。)
皮張り
皮張りとは塗料の表面に膜が張ってしまう状態のことです。
そのまま使用するとスプレーガンの詰まりになったり、塗装不良になったりします。
原因として
- 溶剤が蒸発し、空気中の酸素により表面層が乾燥して皮が張る。
があります。
対策として
- 保管時は容器の蓋を完全に密閉し塗料の指定された条件下で保管。
- 量が少なくなたら、小さい容器に移し替える(酸素量を減らす)。
等があります。
(薄い皮であれば除去し、ろ過することで基本的には使用可能になります。)
極力保管時には酸素に触れさせないことが重要になってきます。
ゲル化・ゼリー化
ゲル化・ゼリー化は塗料の粘度が著しく高くなり、流動性がなくなるときに起こります。
こうなると再使用は不可能で廃棄するしかありません。
原因として
- 保管中に溶剤成分の揮発や樹脂の一部が反応。
- 異なる塗料を混合してしまった。
- 高温で長時間保管してしまった。
等が挙げられます。
対策として
- 保管時は容器の蓋を完全に密閉し、冷暗所に保管
- 異なる塗料や硬化剤を混入させない
等があります。
【異なる塗料混合しない】とありますが、意外としてしまう場合があり、例えば「筆塗りで十分に筆を洗浄せずに、他の塗料に筆を入れてしまう」等があります。
特に小さい部品やプラモデル等であるのではないでしょうか?
その場合は【塗料ごとに筆を分ける】等で混合のリスクを抑えることができます。
まとめ
今回は塗料の保管方法や保管時に起こる塗料の欠陥について紹介しました。
これはどんな塗料にも起こり得ることなので、塗料を使用する際に状態を必ず確認するようにしてください。
絶対に起こらない方法があれば良いのですが、塗料の性質上難しいです。
ですので塗料は【冷暗所に保管】【量が少なくなったら小さい容器に移す】【長時間放置しない】【他の塗料と混ぜ合わせない】等の注意をしましょう。
塗料は空気や水分といったものに非常に敏感なので、しっかりと密閉しておくことも重要になります。
塗料の他にもスプレーガンやエアブラシに関する記事も書いています。
よろしければそちらも合わせて読んでいただければ幸いです。
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