
今回は、塗料の中身について紹介していきます。
実際塗料の成分を知っておくと塗料を選択する際に役に立ったりしますので、いざという時の知識として片隅にでも置いておくと便利かもしれません。
では早速本題に行きましょう!
塗料の成分
塗料にはどのような成分が入っているのでしょうか?実は色々な成分が含まれているのです。
樹脂

塗料の性能を決める最も大きな塗膜形成分です。
顔料を均一に分散させ、被塗物面(塗る対象のこと)に付着させ、光沢、硬さ、耐久性を与えるものです。殆どの樹脂は透明で、組み合わせ、量等で塗料の性能が変わります。
(1)天然樹脂・・・主として植物から析出分泌されるものです。
(2)セルロース誘導体・・・天然綿のリンターを変性したものです。
(3)合成樹脂
・熱可朔性樹脂・・・加熱によって軟化するものです。
・熱硬化性樹脂・・・加熱すると化学反応で硬化し、冷却後再加熱しても
軟化しないものです。
顔料

着色顔料は、塗料に色彩や隠ぺい力を与えて、光によって樹脂が劣化するのを防ぎます。
体質顔料は、充填性や研磨性などの適性を塗料に持たせます。
サビ止め顔料は、鋼板などのサビの発生を防ぐ働きをします。
塗料には、顔料の入ったエナメル塗料と、顔料の入っていないクリヤー(透明)塗料とがあります。
(1)着色顔料
・無機顔料・・・主に金属の酸化物で色は濁っています。
・有機顔料・・・無機顔料に比べて色は鮮明で透明性が高く隠ぺい力に劣ります。
(2)体質顔料・塗膜に肉持ちを与え研磨性を良くします。
(3)サビ止め顔料・錆の発生を防止します。
(4)金属粉顔料・メタリック塗装に使用されます。
(5)パール顔料等・パール塗装など特殊カラーに使用されます。
(6)艶消し顔料・樹脂の持つ光沢を減少させます。
添加剤

塗料及び塗膜の性能を向上させるために少量添加します。各々の用途によって添加剤を選択します。
(1)可朔剤・塗膜に柔軟性を与えて、衝撃性や折曲性を向上させます。
(2)乾燥剤・一般にドライヤーと呼ばれ、長中油性アルキド樹脂塗料の酸化重合を促進させます。
(3)沈殿防止剤・塗料の保存中に顔料が分離して、沈殿するのを防止します。
(4)色割れ防止剤・数種の塗料を混合して調色する場合、顔料の粒子の大きさや比重の違いなどによる色別れを防止します。
(5)レベリング剤・塗装時のゆず肌や建築塗装のハケ目、ローラー目などを消して塗面を平滑にします。
(6)消泡剤・塗装の際、塗料中に入った空気が塗膜に泡として残らないように添加します。
溶剤

樹脂そのままでは粘度が高いので、塗料として適正な粘度になるように溶剤で希釈して流動性と流展性を与えます。
樹脂の種類によっていろいろな溶剤を使用し、乾燥後は完全に揮発して塗膜の中には残りません。
硬化剤

2液型塗料では主剤に硬化剤を加えなければ、完全な塗膜性能が発揮できません。
自動車補修用では、アクリルウレタン塗料が主に使用され、イソシアネート系化合物が硬化剤として使われています。
溶剤の中身等は割愛させて頂きます。
いかがだったでしょうか?塗料って、樹脂と顔料だけではないんです。
いろんな添加剤が添加されて、はじめて塗料になるんですね。添加剤の内容は塗料メーカーによって異なるようですので、社外秘だそうです。
まとめ
いかがでしてでしょうか?
単に塗料と言っても中には色々な成分が入っているのです。
同じ色でも、用途や塗装物によって種類が変わってくるのは、このような成分の配合が変わってくるからなんですね。
なので塗装するときには、塗料が本当に合っているか確認してから使用するようにしましょう。
今回は塗料の成分をメインに書いていきましたが、塗料の種類によっては相性の良い悪いも出てきます。
例えばそれぞれ成分の違う塗料を重ねて使う場合に顕著に出てきます。
塗料の塗り重ねについては()に記載してあるので、そちらもご参照していただけると幸いです。
また塗料に関してはプロホンポでも多くの種類を取り扱っております。
自動車から建築用、またプラモデル等のホビー用も取り揃えておりますので、気になる方は一度覗いてみてください。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。