塗装をする時に使用する【シンナー】ですが、なぜシンナーを使うのでしょうか?
またシンナーには種類があり、塗料にあったシンナーを使用しなければいけません。
今回はそんなシンナーの役割や種類について紹介していきます。
目次
シンナーとは
シンナーは基本的に塗料を希釈するために使用されます。
塗料はそのままでは粘度が高いため、直接スプレーガン等で吹き付けても綺麗なミストで噴射されません。
大きな球よような感じで噴射されるため、塗装面にムラができたり、ガンが詰まったりと仕上がり等に大きく影響してきます。
シンナーを使用することで塗料の粘度を下げ、綺麗に吹けるようになります。
また種類により揮発速度を変えれるため、塗装の乾燥速度をコントロールしやすくなります。
シンナーの成分
基本的に【トルエン】や【キシレン】等の有機溶剤の混合物がシンナーです。
トルエンやキシレンは樹脂を溶かし、樹脂と顔料を混ぜやすくする無色透明な液体で、一般に塗料の製造過程で用いるものを指します。
シンナーには様々な種類がありますが、それらも有機溶剤の配合の割合や種類を変えることで揮発性を変化させたり、作業効率に影響してきたりします。
有機溶剤を使用しているため、シンナーを使用する際には十分に換気をするようにしましょう。
換気しないで作業をすれば、中毒になる恐れがあります。
シンナーの種類
シンナーに様々な種類がある理由としては、塗料には様々な種類の樹脂が使用されており、その樹脂を溶かすことが出来る溶剤が異なるためです。
溶解力の弱い溶剤を使ったシンナーでは樹脂を十分に溶かすことが出来ません。
逆に溶解力が強すぎると再補修時に旧塗膜を侵して、ちぢみ等の不具合を起こすことになります。
これらのことを考慮して、塗料の種類別に数種類の溶剤を組み合わせた専用シンナーが設定されています。
溶剤は、樹脂の種類により次にように分類されて使用されます。
- 真溶剤・・・単独で樹脂を溶解する性質がある溶剤
- 助溶剤・・・単独では樹脂を溶解しないが、真溶剤と併用すると溶解力を示す溶剤
- 希釈剤・・・樹脂を溶解する力は無いが、ある量を加えても分解や沈殿がおきない溶剤
次に代表的なシンナーを紹介していきます。
ラッカーシンナー
ラッカーシンナーは非常に強力なシンナーで、揮発性の高い【アセトン】や【トルエン】等を主成分としています。
基本的にラッカー塗料を薄める時に使用するシンナーですが、後に紹介する塗料用シンナーよりも溶解力が強く、強い臭いもあります。
また強力なため、塗料用シンナーで落ちない汚れを落とす際にも使われることもあります。
塗料用シンナー
主に溶剤に弱い塗料を希釈したり、スプレーガン等の塗装道具の洗浄に使用されます。
【ペイント薄め液】や【トシン】と呼ばれることもあるシンナーになります。
揮発性はラッカーシンナーと比べると遅めになります。
洗浄用シンナー
名前の通り塗装用品を洗浄するためのシンナーです。
他のシンナーでも洗浄はできますが、洗浄用シンナーは洗浄に特化しているため、基本的には洗浄用シンナーを使うようにしましょう。
その他の専用シンナー
シンナーには専用のシンナーが存在します。
塗料には【エポキシ】【ウレタン】【アクリル】といった種類が存在しますが、シンナーもそれら専用の物があります。
アクリル塗料にラッカーシンナーは使用できませんし、ウレタン塗料にももちろんラッカーシンナーを使うことはできません。
使用する塗料に合わせたシンナーを必ず使いましょう。
シンナーの遅乾・速乾とは
シンナーには遅乾と速乾があり、季節や環境によって使い分けます。(標準タイプもあります。)
なぜ種類があるのでしょう?
夏は気温が高く、塗装が早く乾いてしまいます。
そうなると塗料が馴染む前に乾いてしまうので、ザラザラした仕上がりになったりします。
そのため遅乾のシンナーを使用することで乾燥速度を遅くし、塗装が馴染みやすくなるようにコントロールしてやります。
逆に冬などの気温が低い時には速乾を使用します。
乾燥が遅いので、塗装面のタレに繋がります。ですので速乾のシンナーを使用することで乾燥を早くする必要があります。
シンナーには【#20 #30 #40】といった記載がありますが、番手の低いものほど速乾になります。
塗料の成分
塗料にも様々な成分が入っています。
塗料に関しては記事にしていますので、よろしければ参考にしてみてください。
まとめ
今回はシンナーの種類や成分について紹介してきました。
「この塗料にあったシンナーが分からない」と悩んだこともあると思いますが、基本的には塗料に合わせたシンナーを使用していただければ問題ないかと思います。
日本ペイントの塗料なら日本ペイントのシンナーを、ロックペイントの塗料ならロックペイントのシンナーを使用していただくのが間違いないでしょう。
またシンナーには遅乾・速乾とあるので、季節や環境に合わせた物を使用すると綺麗な仕上がりに繋がります。
注意点としては、塗料にあったシンナーを使用するということです。
アクリルにはアクリル、ウレタンにはウレタンを使う等の注意をするようにしましょう。
PRO HONPOではシンナー・塗料も取り扱っております!
他にも塗装関係に記事を書いています。
よろしければそちらも合わせて読んでいただければ幸いです。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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