塗装をするのに欠かせないスプレーガンですが、クリヤー専用のガンもあるのを知っていますか?通常のガンでもクリヤーは吹けますが、専用品を使うことで仕上がりが違ってきます。今回はアネスト岩田のクリヤー専用ガンを3種類紹介していきます。
アネスト岩田のクリヤー専用ガン
アネスト岩田の自補修用スプレーガンとして位置づけられている「’kiwami-1」シリーズの中に「クリヤー用」として出ているスプレーガンは3種類あります。
とはいえ、この3種類すべてそろえる必要は基本的にありません。
なぜなら「お使いのクリヤーに合わせて選ぶ」ためです。
では機種ごとに見ていきましょう。
KIWAMI-1-14B2
これは以前出ていた美粧シリーズW-101-142BPGの後継機種です。
もっと言えばW-100-142BPGの後継機種で、銀さんなんて呼ばれていたこともある機種です。
W-100の時代からあるということは、20年以上の歴史があるということです。
さて20年以上前の塗装業界を思い返すと、そのころ主流だったのはベースは2液のウレタン、いわゆる2Kという塗料で、クリヤーは10:1の硬化剤が少ないタイプでした。
10:1のクリヤーをお使いになったことのある人にはわかると思いますが、粘度が低く、シャバシャバです。
しかしこれでは膜厚をつけることが難しく「ならばスプレーガンで解決できるのでは?」と生まれた機種だったのです。
中心に塗料が集まるように吹き付けるため容易に膜厚をつけることができます。
しかし時代とともに主流となるクリヤーに変化が出てきます。
KIWAMI-1-14B8
2010年ごろになると自補修業界の塗料事情も変わってきます。
ベースコートはハイソリッド系の塗料が主流になり、クリヤーは硬化剤の量が増え5:1などのクリヤーが主流となってきました。
この時発売されたのが’kiwamiシリーズW-101-148BG、のちのKIWAMI-1-14B8だったのです。
ベースとクリヤーの塗り方も似てきたこともあり、ベース用のW-101-138BGとクリヤー用のW-101-148BGは口径違いなだけでエアキャップは共通というものです(現行機種も同様)。
特徴はワイドでフラットなパターン形状でウエットに塗ることができるというもの。
クリヤーの硬化剤が増えたことにより比較的容易に膜厚が付きやすくなったため、ガンに頼らなくとも膜厚がつくので、塗り回数を減らし、ムラになりにくいよう塗ることが可能になりました。
またウエットに塗ることで、塗ってから塗料がなじむため、「霧が細かい=正義」を覆す粗めの霧化レベルとなっています。
そして時代は流れさらに自動車塗料も細分化されていきます。
KIWAMI-1-16B12
外国車や高級車だけではなく、艶感のある車が増え、使用されるクリヤーにも変化が出てきます。
国産車でも高級な車の艶感を出す3:1のクリヤーや、外国車を塗られていたところでは珍しくはなかった独特の艶感を生む2:1といった硬化剤の多いクリヤーの他、シンナーで希釈をしない「無希釈クリヤー」などもあり、今までのサイドカップスプレーガンではきれいに吹くことが難しくなってきました。
例えばKIWAMI-1-14B2では膜厚が付きすぎる上、パターンも狭く作業性が悪くなります。
KIWAMI-1-14B8では粒子が粗すぎるので、肌が出すぎるといったことになります。
そこでKIWAMI-1-16B12は霧が細かくフラットなパターンになるよう作られています。
中高パターンや粒子が粗いと垂れやすかったクリヤーも最適な粒子径とフラットなパターンにすることにより、垂れにくくなったのも特徴です。
どの専用ガンを使えば良いのか?
一見するとKIWAMI-1-16B12が時代の最先端で一番良さそうに見えますが、決してそんなことはありません。
10:1のクリヤーや5:1のクリヤーでは膜厚が不十分です。
- 10:1ならKIWAMI-1-14B2
- 5:1ならKIWAMI-1-14B8
- 2:1や無希釈ならKIWAMI-1-16B12
というようにお使いのクリヤーに合わせて選んでいただくのがいいでしょう。
まとめ
今回はアネスト岩田のクリヤー専用スプレーガンを紹介しました。
どのガンが一番良いということはなく、お使いいただいているクリヤーに合わせたガンを選んでみてください。
「わざわざ専用のガンで塗らなくても」と思いの方もいらっしゃるでしょうが、綺麗にクリヤーが吹けるというのは磨きの時間も短くて済むということなので、効率アップにも繋がってきます。
是非一度使用してみてはいかがでしょうか?
PRO HONPOでは今回紹介したクリヤー専用ガンも取り扱っております。
他にも塗装やガンに関する記事も書いています。
よろしければそちらも読んでいただければ幸いです。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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