皆様は【クロスカット試験】をご存じでしょうか?
外観の仕上がりは目視等で確認することができますが、塗装の耐久性は見た目では判断が難しいことが多々あります。
特に密着性が悪いと、塗装の剥がれ等の欠陥に繋がってきます。
今回は塗装の密着性を確認するために行われるクロスカット試験について紹介していきます。
クロスカット試験とは?
冒頭でも簡単に書きましたが、クロスカット試験とは【塗膜の密着性(耐久性)】を評価するために行われる試験です。
これにより、塗料の性能を数値化して明確にすることです。
塗装面に格子状の切れ込みを入れ、専用のテープを貼り付けた後にテープを剥がし、塗装がどれだけ剥がれてきたかで評価します。
*赤色の部分が塗装になります。
基本的に評価基準は図のように6段階で分類されており、最初の3段階は一般目的に適合されるとしています。
ただし、図のように綺麗に剥離してくるとは限りませんので、参考までにしてください。
クロスカット試験の方法
クロスカット試験方法ですが、塗装面に切れ込みを入れ、テープを使用し行うことは分かりました。
ですが、どのように切れ込みを入れたり、テープはどのように剥がせば良いのでしょうか?
基準では塗膜や素地によって切れ込みの間隔が変わってきます。
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0 μm〜 60 μm :硬い素地に対して1 mmの間隔
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0 μm〜 60 μm :軟らかい素地に対して2 mmの間隔
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61 μm〜 120 μm :硬い,軟らかい素地両方に対して2 mmの間隔
- 121 μm〜 250 μm :硬い,軟らかい素地両方に対して3 mmの間隔
となっております。
縦横に6本の切れ込みを等間隔に入れるわけなのですが、専用の道具があれば、しっかりと綺麗に切れ込みが入れれます。
カッターにも基準があるため、基準を満たしている物を用意しておきたいですね。
専用のガイドとカッターを使用し塗膜に格子状の切れ込みを入れていきます。
切れ込みも真っすぐになるように注意してください。
切れ込み後に専用のテープを上から貼り付けます。この時にしっかりと指で密着させるように貼り付けましょう。

クロスカット試験用テープ
テープを密着させたら、5分以内にテープを引き剝がすのですが、約60°の角度でテープの端を掴み、0.5秒〜1.0秒で確実に引き離すようにします。.
その際に塗膜がどれだけ剥がれたかを確認します。
試験結果は数値化され、通常は0から5までのスケールで評価されます。数字が小さいほど、塗膜の密着性が高いと判断されます。
まとめ
塗装は外観の仕上がりだけではなく、耐久性等も求められます。
外観は目視等である程度確認ができますが、耐久性や密着性等は、試験をしてみなくては判断は難しいです。
しかしただ切れ込みを入れてテープを剥がすだけでは、しっかりとした試験結果を得られません。
専用の道具等を使用し、正確に判断することが重要でしょう。
このような試験少々手間ではありますが、後々施工のやり直しを防げるため、全体で見るとコスト削減に繋がってきたりもします。
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