皆様は塗装をする時にどのような事を気にしていますか?
埃等のゴミ類、調色、スプレーガンの状態等色々注意する点はたくさんあると思いすが、今回は塗装に大きく影響する【温度と湿度】について紹介していきます。
注:あくまでも一般的な自動車補修用の塗料の話なので、特殊な塗料等はこの限りではありません。ご注意下さい。
塗装に最適な温度と湿度の条件とは?
塗装に最適な温度と湿度ですが、どのぐらいが適切なのでしょうか?
塗装に好ましい条件
- 温度:約10~30度
- 湿度:約45~80%
ただし塗装方法や希釈剤を調整すると、温度:5~35度、湿度85%以下の範囲でも塗装可能です。
この範囲であれば、ヒーター等を使用は最低限で済みます。
加温処置が必要な条件
- 温度:約5度以下
- 湿度:約85%以上
以上の条件では塗料の乾燥が大幅に遅れ<、硬化不良による性能低下が発生するリスクが高まります。
こんな時はヒーター等を使用して、塗装した箇所の温度を適正値まで上げましょう。
夏季と冬季の乾燥時間の違い
乾燥時間は夏季と冬季ではもちろん変わってきます。
1液型の合成樹脂塗料の場合、夏季(約25度)では12時間程度で乾燥しますが、冬季(約5度)では40時間程度の乾燥時間が必要になります。
2液型の合成樹脂塗料の場合、夏季(約25度)では6時間程度で反応が終了しますが、冬季(約5度)では38時間程度の反応時間が必要になります。
このように時期によってもかなりの乾燥時間による違いがあるので、注意が必要になります。
その他の塗装に適さない条件
適切な条件があるように、塗装に適切ではない条件ももちろんあります。
いくつか例を挙げてみますと
- 雨天または降雪時
- 塗装後1~2時間以内に、降雨、降雪が予想される場合
- 気温が5度以下、相対湿度85%以上の場合
- 被塗装面に結露が発生している場合
- 炎天下で被塗装面の温度が上昇している場合
- 砂埃が多い場合(目安は風速5m/秒以上の時)
これらの条件が当てはまる時の塗装は避けた方が良いでしょう。
無理に塗装をしても、その後の修正作業が多くなったり等があり、結果再度塗装のやり直しをしなければいけなくなるケースも出てきます。
まとめ
今回は塗装の最適な条件として【温度と湿度】について紹介しました。
温度や湿度は塗装ブースやヒーター等を使用することで最適化することができます。
最適な条件下で塗装をすれば塗料の性能発揮でき、仕上がり後の磨きが楽になるとともに塗装品質自体も高いものになります。
塗装が上手い職人さんの話を聞くと、塗装ブースやヒーター等に拘られている人が多いように感じます。
腕はもちろん大事ですが、塗装環境に拘って必要な道具をしっかり使うことが重要です。
塗装条件を整えることも塗装技術の一つと考え、拘ってみてはいかがでしょうか。
今回紹介した温度と湿度についてですが、シンナーにより乾燥時間も変わってきます。
気温等に適したシンナーを使用することも、塗装において非常に重要です。
シンナーに関しても記事にしていますので、合わせて読んでいただければ幸いです。
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それでは本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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