
皆さんこんにちは。
今回はエアブラシの動作原理について解説していきます。
「原理を知らなくても塗装出来るんじゃないの?」と思うでしょうが、原理を知ることで分解洗浄も難なくこなせるようになりますし。ブラシの調子が悪い時も何が原因なのかの特定が早くなったりします。
塗装の際も仕組みを知ることで、どうすればこのような塗装ができるとイメージしやすくなったりもします。
エアブラシとはなにか
まずエアブラシとはどのような物なのでしょう?
エア(空気)ブラシ(筆)と言うように、圧縮した空気によって塗料を霧状に飛ばす道具です。
エアブラシは塗料を繊細に吹き付けることができるので【絵を描くツール】として使用されます。
絵画の長い歴史から見ればエアブラシが使われるようになったのはごく最近のことでが、筆に比べ微妙なグラデーションの表現が特徴のエアブラシは今までなかった独特の陰影や、立体感を表現することができます。
また鮮やかでリアリティ溢れる作品が制作されるなど、その実用性や完成度の高さから様々な世界で活躍しています。
エアーブラシとよく似た塗装器具に【スプレーガン】が有りますが、こちらは主に塗装をする目的で使用されます。
そのためスプレーガンは同一機種でも塗装面積によって超小型から大型まで幅広くラインアップされています。
多方面で活躍するエアブラシ
近年では、その機器のめまぐるしい発達によりさらに細密な線までエアブラシで表現できるようになり、エアブラシは活躍の場を広げています。
エアブラシは筆では難しいムラのない塗装、微妙な表現が比較的簡単にできます。
さらにそのコンパクトなボディや大掛かりな設備を必要としないなどの理由もあり、プラモデルやフィギュア、ルアーなどのホビーユースやバイク等のカスタムペイントへの需要も増えています。
そのほか、美容業界ではネイルアートやボディーアート、メイクへの応用や、製菓業界ではチョコレートなどの吹き付けに使用されるなど多方面において注目を集めています。
またファインアートと呼ばれるエアブラシの特性を活かした幻想的な絵画など、エアブラシアートの芸術性の高さも広く認められており、寺社仏閣などの歴史的建造物にエアブラシを用いて弥勒菩薩や鳳凰・龍などを描くエアブラシアーティストも多く誕生しています。
最近ではテレビなどでも写真と区別のつかないエアブラシアートなども注目を集めています。
エアブラシの動作原理
さて本題ですが、エアブエラシは圧縮した空気を作り出す【コンプレッサー(または圧縮した空気を缶に充填したエア缶)】がなければ使用できません。
その圧縮空気はエアホースでエアブラシまで送られます。
以下、ダブルアクションの上ボタン式のエアブラシとして解説します。
エアホースから送られてきた圧縮空気はエアバルブでせき止められます。
塗料カップに塗料を入れるとエアブラシ本体の塗料経路を通り、直径数ミリの細い塗料ノズル内に流れ込みますが、塗料ノズルにはニードルが貫通しており、塗料ノズルとニードルが密着し塗料をせき止めます。
バスタブの栓をイメージしていただくと分かりやすいかと思います。
下にイラストがあるので、そちらをご参照しながら見ていただけると理解が深まるかと思います。
まず、エアブラシの押しボタンを押すと、エアバルブが下に押され、エア回路が開きます。 この操作でエアバルブに止められていたエアホースの圧縮空気は、本体ボディを流れ、エアブラシ先端から噴射されます。
次に、押しボタンを後方に引くと塗料ノズルと密着していたニードルが後方に下がり、塗料ノズルとニードルの間に隙間が生まれます。
このニードルは先端がテーパー状になっているので、押しボタンの引く具合によって、塗料ノズルとニードルの間の隙間を加減することができます。
解放された塗料は、塗料ノズル外側を通る圧縮空気の負圧で、塗料ノズルから勢いよく噴出され、同時に圧縮空気と混合されて霧状になります。 そして、霧状になった塗料はエアブラシから噴出されます。

使用方法としては、押しボタンを押すとまず圧縮空気だけがエアブラシ先端から噴射されます。
そのままボタンを後に引くとニードルが後退し、塗料ノズル先端とニードルとの間に隙間ができます。
バスタブの栓を少し浮かせた状態ですね。
するとその隙間を塗料が通り、圧縮空気の流れに吸い込まれ霧化してエアブラシ先端から噴射されます。
このニードルは先端がテーパー状になっているので、押しボタンの引く具合によって、塗料ノズルとニードルの間の隙間を加減することができます。 隙間を加減で塗料の噴射量を調節します。
バスタブの栓と違うのは、自重で流れるか空気によって引っ張られるのかという感じです。
まとめ
今回はエアブラシの動作原理について解説していきました。
シングルアクションやトリガー式もありますが、基本的には原理は同じです。
ニードルで塗料をせき止め、ボタンまたはトリガーを引くことでニードルが動き、エアと一緒に噴射されます。
仕組みを知ると単純なのですが、エアブラシはコンパクトなため部品も小さく繊細です。
特にニードルやノズルに傷が入ると液漏れをしたり、均一に塗料が噴射されなくなります。
そのため分解清掃時には細心の注意を払いましょう。
今回紹介したエアブラシ等もPRO HONPOで取り扱っております。
またエアブラシを使用する際には圧縮空気が必要になってきます。
その圧縮空気を作るコンプレッサーも販売しておりますので、是非覗いてみてください。
エアブラシに必要な知識や道具に関する記事も書いておりますので、合わせて閲覧していただけると幸いです。
それでは本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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